ひょっとしたことで叶ったANAのA380に乗る夢(後編)

前編から続く)

ということで、ANAのサイトにアクセスして妹が指定した便を検索すると、表示された価格は20万。金額にたまげて、これはプレエコを選んでしまったのだろうと思い検索し直すと…また20万円。コロナで飛行機代が高騰していると噂には聞いていたが、まさかハワイ行きのエコノミークラスが数十万円もするとは夢にも思っていなかった。

しかし、夢は高い。これはディズニーランドで学んだ哲学だ。よって僕は、躊躇せずにチケットを購入した。

だが、そこからハラハラドキドキが始まった。なにしろ、ビジネスクラスにアップグレードされなければこのA380企画は無意味なのだった(しつこいが、僕はハワイ自体に関心がなかった)。

まさかアップグレードされないことなどあるのだろうかと心配になりANAに電話すると、担当者の人にアップグレード待ちは15人であると伝えられた。さらに「ちょっと厳しいかもしれませんね」と捕捉された時は、僕は気絶するかと思った。

とはいえ夢はそう簡単に諦められず、その先2ヶ月間、僕は毎日2回ANAのサイトにアクセスしてはビジネスクラスの空席状況を確認していた。すると、ずっと空席20席弱の状態が続く。理論上は、アップグレード待ちの全員をアップグレードできる数であった。

ANAからすると、当然、エコノミークラスの客をアップグレードさせるより、正規価格でビジネスクラスのチケットを購入する客を優先したい。だが、空席のまま飛ばすくらいなら、ロイヤルカスタマーをアップグレードさせた方が長期的な顧客満足に繋がる。

ということで、注目はANAがいつまで渋るのか、に移った。

どうせ1ヶ月くらい前には諦めるだろうと高を括っていたら、2週間を切ってもアップグレードの連絡が届かず、「まさかアップグレードされないのでは」と恐れ、「夢のために費やしたあの20万円は一体なんだったんだ」と放心状態に陥り始めていた頃、やっと往路と復路の双方がアップグレードされた。僕よりだいぶ前にチケットを購入していた妹と同時に。

めでたし。めでたし。

こうして、無事、僕の大きな夢が叶うことが確定した。

叶った夢が期待を超えたのか、それとも期待を裏切ったのかは、次回のお楽しみ。

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