2021年10月 25日
僕は近所のコンビニで働いてるツダくんに認めてもらいたい(前編)
コロナ禍が始まって以降、僕はほぼ毎日、近所のコンビニに、夕食で食べるサラダミックスを買いに行っている。
そして、そのコンビニでは、大学生のバイト(と思われる)ツダくんが店員として働いている。
このツダくん、僕が2年間観察した限りでは、とても優秀なバイトだ。挨拶は「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」とシャキッとした声でしており、レジの処理はテキパキと効率よくこなしている。利発そうだから、きっと近くのとても偏差値が高い大学に通っているのだろう。
そんな優秀なツダくんに、僕は間違いなくマヌケだと思われている。
理由はコンビニのポイントカードだ。「塵も積もれば山となる」ということわざがあるので、僕はたった120円のサラダミックスを買うときでもポイントをつけるようにしている。
問題はそのポイントのつけ方だ。ポイントカードをツダくんに渡すだけなら何の問題もないのだが、このコンビニではカードを自分で読取機に通す必要がある。
僕はこの操作がとても苦手だ。通すのが早すぎると、読取機がチンっと鳴ってやり直し。通すのが遅すぎると、読取機が何の反応もせずにこれもやり直し。
1回目でポイントカードが読み取れたためしがない僕に対して、ツダくんは時にはイライラしながら、時には呆れた表情で、「早すぎました」とか「もう一度お願いします」とか棒読みで反応する。
そうすると僕は、次は絶対に失敗できないというプレッシャーの中、ビクビクしながらもう一度カードを通す。再度失敗すると泣きたく逃げ出したくなり、3度目も失敗すると、ポイントカードを渡して「私にはできないので、お願いできますか」とツダくんにすがる。
そんな時、ツダくんの心の中の「おまえ、使えねー」の舌打ちが伝わってくるのだ。
(後編に続く)