しゃぶしゃぶ温野菜でのノルマ達成は至難の技(前編)
島流しにされて食事を三つしか選べないと言われたら、僕は確実にしゃぶしゃぶをその一つに選ぶ。僕はそれほどのしゃぶしゃぶ好きである。
そしてしゃぶしゃぶと言えば、食べ放題チェーン店温野菜である。
その温野菜。食べ放題とはいえども、満腹になるにはコツがいる。
曲者はもちろん時間制限だ。実は、店員が案内する「2時間制限」にはとんだ盲点がある。2時間とはテーブルに居られる時間であり、注文できる時間はなんと30分も前に終了するのだ。
余談だが、たまにアラカルトの店でも2時間制限と言われることがあるが、僕はそのような店から追い出されたことが一度もない。要は、この場合の時間制限は、客がなんの注文もせずに何時間も居座ることを阻止しようとしているのであり、僕のように延々と食べ続ける客は3時間でも4時間でもウェルカムなのだ。
温野菜に話を戻すと、時間制限の時計はコースを選んでから回り始める。
このコース選びでいつも迷う。僕はつい最近まで豚しゃぶというものをバカにしていたのだが、鹿児島で黒豚しゃぶしゃぶというものを知って以来、改心した。
とは言え、やはり美味しい牛肉も食べたい。そこで、4680円とちょっと贅沢だがすしざんまいの1万6千円を考えればだいぶ安い、「黒毛和牛と銘柄豚・たんしゃぶ」と呼ばれる食べ放題コースに通常は落ち着く。
ちなみに、この「黒毛和牛」は普通に「クロゲワギュウ」と読む。数年前、これは四字熟語だと思い頑張って音読みで「コクモウワギュウ」と読んだら、えらい恥をかいた。
改めて話を戻すと、温野菜ではコースを選んだ次にダシを二つ選択する。人生すべてにおいてこだわりがある僕にしては珍しく、温野菜のダシに関しては特段意見がない。よって、連れがいれば選んでもらう。ただし、意味不明な「すきしゃぶだし」は却下だ。名前からして邪道なこのだしを「しゃぶしゃぶ」温野菜で選ぶことを、僕は決して認めない。
(後編に続く)
大阪に”弁慶”という焼き肉屋がある。以前は会員制でしたが、息子の代になって一般でも食べられる。ここの厚切りタンは絶品。日ハムの役員も驚く肉です。ただ、高い。