実物マリオカートは怖いどころかめちゃ楽しい(前編)
最近、僕は実物マリオカートに乗った。
見たことがある読者もいるであろう。渋谷のスクランブル交差点を走り抜けていく、あれである。
昔からやってみたいとは思っていたものの、あまりに近所すぎて、それも日本人がやっているのを一度も見たことがなくて、これまでやる気が起こらなかった。ニューヨークに住んでいた時、観光客が集まる自由の女神に地元の人間として一度も見に行かなかったのと同じだ。
ところが、この度、ふと知人に誘われてやってみようという話になったのだ。
実際やってみて初めて分かったのだが、実物マリオカートのアレンジは日本人だと思いの外大変である。どこもインバウンドの観光客をターゲットしているため、ローカルの人間はお断りだったり、日本語を話す人の参加は迷惑がられたりする。
僕がやったのはMonkey Kartの渋谷から原宿を通って新宿まで行き、原宿経由で戻ってくるコースだ。他にも、五反田から六本木を回ったり、浅草から周辺を回るコースもあるらしい。
実物マリオカートは正真正銘の車、具体的にはヤマハのゴーカートである。アクセルとブレーキとハンドルで操作し、ギアもウィンカーもある。よって、当然のことながら運転免許が必要だが、もっぱら国際免許に関する案内ばかりしかないところに国内の利用者が眼中にないことを感じる。


経験する前は実物マリオカートは怖いだろうと思っていた。何しろ、車高が低いのだ。バスとトラックが前後につくと、下敷きになりそうなくらいに。
車高がどれほど低いのか、実際に乗ってみると分かる。目線の高さは、大人の歩道車よりずっと低く、幼児の歩道車と同じくらい。さらには、車体も狭い。広い車線なら2台横並びになれる幅だ。
もっとも、実際に運転を始めると、怖さも吹っ飛ぶ。なにせ、完全にマリオカートの世界に入れるのだ。
というか、コースではなく市内を走れる分、ゲームより実物の方が楽しいかもしれない。
(後編に続く)