ハワイもそれなりに楽しいじゃん(後編)

前編から続く)

だが、やはりというか、ハワイで何より素晴らしかったのはビーチである。

ハワイに滞在していた毎日、どんなアクティビティの予定があっても、必ず数時間はビーチ時間を確保するようにしていた。その時間帯にボーっとするのもよし。カクテルを飲むのもよし。本能赴くままに寝るのもよし。

そして、将棋を指すのもよし。

ビーチサイドで将棋を指す体験は実に平穏だった。東京千駄ヶ谷にある道場では何も考えてないが将棋は強いバカ男子に頓死してキレてる僕でも、ハワイのビーチでは見えない相手にアプリで惨敗しても「別にどうでもいいじゃん」となれる。のどかであるということは何と幸せなことか。

これは夜でもそうなのだ。

休暇中でもたまに仕事をしないと休暇ボケになるので、ハワイバカンス中も最低限の対応だけはしていた。だが、外に行けば焚き火があるし、湿気がなくて気持ちがいいので、どうしても部屋でパソコンを開ける気にはなれなかった。焚き火の前でドリンクを片手にロッキングチェアでゆらりくらりしながらメールに目を通すのはめちゃ快適で、この環境なら何時間でも仕事ができそうだった。

この体験から僕が学んだのは、仕事は環境を変えるだけで効率性がグッとアップするということである。よって僕は、A380に乗って東京に戻り、夢から覚めた後に、ハワイビーチの再現を試みることにした。

ビーチの代わりとなったのは、僕のアパートの1階。ロビーにちょうどいい具合のテーブルと座り心地の良さのよそうなソファがあり、ここで仕事をすればハワイの時のようにはかどりそうだった。

そう思って仕事に復帰した最初の2日間、早めに帰宅してロビーで仕事を終わらそうとしたら…死ぬかと思った。ロビーの冷房の温度設定が高めで、めちゃ蒸し暑かったのだ。

こうして東京でのハワイビーチの再現に失敗した僕は、その後数ヶ月間、「ハワイがいいのはA380だけじゃない」と会う人誰しもにハワイには飛行機以外の良さもあることをPRしていた。

近いうちにハワイに戻ると誓ってる僕。次回ももちろんA380に乗って行くが、とんぼ返りじゃ嫌だと思うようになったのは、ハワイの本当の良さがわかったからこそだろう。

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