最近知った、団体戦で楽しむ将棋(後編)

前編から続く)

さらには、指してる時の気持ちも変わる。団体戦ではチェスクロックというものを渡され、一定の時間内に対局が終わることが求められる。個人的に指してると、時間制限があろうがなかろうが負け将棋はさっさと切り上げたくなるのだが、団体戦になると、なんとか反逆できないかと粘り、負けるにしても最初に負けてチームの士気を下げるようなことだけは避けねばと考えるようになる。

こうしたことから、団体戦では一局一局に入れる気合いが相当なものになり、個人的に指すのとは比べものにならないほど疲れてしまう。だが、その分、自分の将棋をしっかり省みるようにもなる。

僕は団体戦を通じて、自分の将棋には概ね三つのパターンがあることを学んだ。

  1. 序盤からじわじわ差をつけられて、カウンターパンチもできずに惨敗する
  2. 序盤は順調であるものの、中盤でじわじわ追い上げられて、終盤のポカで頓死する
  3. 序盤で大差をつけ、中盤でじわじわ追い上げられながらも、終盤でなんとか逃げ切る

早い話が、僕の将棋は打たれ弱く、最初から大勝する勢いがないと勝てないのだ。

団体戦の良いところは、そんなしょぼい将棋を指してても、チームが勝利を収められれば自分も救われるということである。さらには、チームが負けてしまっても、辛さはチーム全員で共感できる。団体戦では悔しさも嬉しさも増大する。良くも悪くも、それが団体戦将棋の醍醐味だ。

僕は性格的に、一人でコツコツ職人をやってるより、大勢でワイワイガヤガヤお祭りしてる方が性に合っている。将棋とはストイックに一人でやるものだとずっと思っていたが、実は仲間と楽しくやることもできるのだというのは、結構嬉しい発見である。

 
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