政権が取れちゃうからこそ、僕は政治家にならない(後編)
(前編から続く)
「政党は組織」が持論5である僕は、考えが合わない、などという子供じみた個人的な事情で離党はしない。そして、自分が政党を作ったら、党を離れる議員の離党届を受理せず除名処分にし、次の選挙では対抗馬を立てて、刺違えになってでも潰しに行く。
「政局は勝ってなんぼ」が持論6である僕は、政局の兆しには常に敏感でいて、予期しなかった政局に足をすくわれる、などというヘマは絶対にしでかさない。政局に勝つ確実な方法は奇襲を仕掛けることなので、政局が起こりそうになったら、主導権を握るために自分から先に起こす。
「政治は人脈」が持論7である僕は、与党だろうが野党だろうが節操なく永田町での友人・知人を増やしていき、副幹事長や国会対策委員としては欠かせない人材になっていく。
「政府の実績は安定性」が持論8である僕は、大臣に就任した際には、そつがないがビジョンもない実務能力で無難に内閣改造を迎え、マスコミに注目されることなく退任していく。(もっとも、教育は僕が唯一関心がある政策なので、文部科学大臣を一年でも務めたら、日本の教育方針を大きく変えてしまう)
「政権の傷は浅めに」が持論9である僕は、官房長官・総理大臣になったら、脇が甘い政務官・副大臣・大臣のスキャンダルを公になる前に感知し、発覚した直後に本人を呼びつけ、その場で準備済みの辞表に署名させる。
「政治責任は自分に」が持論10である僕は、意見しか言ってこない周囲の輩は無責任であることを知っているので、いざとなった時には、腹を括って自分で決断し、その結果に全責任を負う。
しかし、何よりも、「政治はゲーム」が鉄則である僕は、政治家なんかになったら日本の政治を30年もの間弄んでしまう。
そんなことになったら国も国民も不幸になるので、僕が絶対に政治家にはならないのは、国のことを想ってるからこそだ。