しゃぶしゃぶ温野菜でのノルマ達成は至難の技(後編)
(前編から続く)
さて、食べ放題コースにするからにはコスパを上げる必要があるので、僕は温野菜で肉15皿というノルマを課している。一皿とは、一人前だと牛肉3枚、豚肉4枚である。またまたの余談となるが、温野菜でバイトをしたことがある人によると、15皿くらいなら店は楽々と黒字らしい。
肉に加えて、野菜、特にきのこの盛り合わせ2皿も欠かせない。実は温野菜の醍醐味は、店の名前のとおり野菜にあるのだ。自説だが、温野菜は大手焼肉チェーン店である牛角が運営しているため、肉を安く仕入れられる分野菜にお金をかけられるから野菜が美味しい、と踏んでいる。
ノルマに話を戻すと、肉と野菜のノルマ達成で問題になるのが、連れの存在だ。
世の中には、とにかくたくさん食べるという行為を最優先しない人が意外と多い。そういう人は、温野菜に連れてっても足を引っ張るだけである。
たとえば、ゆったり「最近げんき〜?」と会話を交わしながら、呑気に「美味しいねー」と語り合い、悠長に「次は何にするー?」といちいち確認してる余裕などない。もっぱら目の前に積まれた皿を片付け、次の肉を持ってきてもらうことに集中できる人と一緒でなければ、ノルマに気を奪われて〆の麺と食後のデザートをミスる羽目になる。
デザートといえば、温野菜の食べ放題コースのデザートは一人1個までと決まっている。よって、僕は連れがいると二人分のデザートを食べることを目論むのだが、結構多くの連れが、ノルマ達成ではあしでまといだったのに、「デザートは別腹」という科学的根拠皆無の理由でデザートを譲ってくれない。これは極めてうざい行為である。
まあ、連れがいなくても肉15皿と野菜2皿のノルマを1時間半で達成するのは至難の技だ。特にタッチパネルで注文する店だと、ラストオーダーまでの時間が常にカウントダウンされ、プレッシャーが半端ない。
実際、先日久しぶりに一人で温野菜に行ったら、このプレッシャーに耐えられず13枚目の肉で時間切れになってしまった。
ジョー、無念のノルマ未達成である。
デザート別腹は非科学的ではない。デザートを見ると胃袋が拡張するのをレントゲンで確認できる。