2025年4月 7日
飛行機マニアの僕にとって、海外出張は単に趣味を堪能する機会(前編)
「あれ、ジョーさん」
シンガポール行き飛行機の搭乗ゲートの待機場で僕に声をかけてきたのは、会社のとても偉いAさんである。なんと、出張が重なって偶然にも同じ便だったのだ。
ラウンジで既に出来上がってから搭乗ゲートに現れた僕は彼を見つけることができなかっただろうが、彼が可愛いキャラが20個も付いてる怪しいリュックを背負った僕を見つけるのはそんなに難しいことではない。
「あれ、Aさん、出張ですか?」と当たり前のことを聞きながら、僕は彼の隣に座る。Aさんとサシで雑談できる機会など滅多にないのだ。
「この便、遅れてるようですね」と僕がどーでもいい話を振ると、Aさんは「え、そうなの?」と驚き、急に立ち上がってゲートのモニター表示を確認。どうやら、ご存知なかったようである。
僕はラウンジを出る間際に便が遅れてるとのアナウンスを聞いていたが、優先搭乗できる優越感を味わうため、搭乗開始のアナウンスを待たずしてゲートに来たのだった。
ちなみに、この旅は出張なのでエコノミークラスで飛んだものの、ステータスを活せばラウンジに入れるので、僕はそこでうどん3杯といなり寿司4つとおにぎり2つとラーメン1杯を食べ、白ワイン2杯と赤ワイン1杯を飲み、じっくりくつろいだ。せっかちなAさんはラウンジで何も食べず何も飲まず、仕事だけしてさっさとゲートに向かったので、アナウンスをミスったと思われる。
Aさんが便の遅延を確認し座り直したところで、僕が「よくシンガポールに行かれるんですか」と雑談を続けると、Aさんは「四半期に一度くらい。でも、この昼間の便は初めて」と僕に付き合ってくださる。
(後編に続く)