2020年5月 25日
もしかしたら、僕は酒に強いのかもしれない(前編)
僕が酒を飲むようになったのは、米国に住んでいた大学時代である。
米国大学生といえば、親の監視を離れて寮で自由奔放に暮らす未成年が、金曜日の夜に暴飲し、土曜日の昼に嘔吐し、日曜日の朝に病院に運び込まれるというイメージが強いが、僕はそういうのとは全く無縁だった。
別に模範な学生を演じていたわけではない。単に周りが飲んでる酒に興味がなかっただけだ。
大学生が飲む酒といえばビールと相場が決まっている。しかし、僕はビールというものの匂いが苦手で、一滴も飲んだことがない。パーティーに行けばワインぐらいは置いてあったが、学生が500円で買うガロンのワインなんて、とても飲める品物ではない。(ちなみに、1 米国ガロン=3.7リットル)
社会人になってからは、ますます酒から遠のいた。
白人はべらぼうに酒に強い。平日でもお構いなしに夕方6時ごろに飲みに出かけ、ビール2本とワイン3杯を飲んだ後、ケロッと朝3時まで仕事をしてたりする。
新卒として入社した直後、僕はそんな連中に毎日のように飲み会に誘われたが、ある時からさっぱり声をかけてもらえなくなった。つきあってもワイン1杯飲んだらさっさと帰っちゃうし、そもそも乗り気じゃないことが相当あからさまだったので、つれない奴と思われたのだろう。
こうして僕は、酒の強い人に囲まれ、そういう人達からハブられて社会人生活をスタートしたので、自然と自分は大して酒が飲めない人なんだと自覚するようになった。
(後編に続く)