2025年2月 17日
コンプラ問題を抱えてる会社の矛盾(後編)
(前編から続く)
このような矛盾はコンプラ意識が低い会社の体制を整備することがどれほど難しいかを語っており、その難しさについて僕はライドシェアリングサービスのウーバーを通して考えたことがある。
ウーバーは2017年、様々なコンプライアンス問題で物議を醸していた。許認可を得ず自動運転車の実験を行っていたり、グーグルの自動運転技術を盗んだり、社内のセクハラ問題を放置していたりしていた疑惑が広く報道され、最後は創業者がCEOを辞任する始末になった。
当時の僕は、報道されていた問題が氷山の一角でしかないと確信しており、どのような条件を提示されればコンプラ体制を立て直す責任者としてウーバーに転職するだろうかと考えた。
たどり着いた結論は2つの条件だった。
1つ目は、年収1億円。これは、失敗する可能性が高いためリスクプレミアムを上乗せした理由もあるが、何より、ウーバーが抱えてる問題はコンプラ責任者に年間1億円払うくらいの覚悟がなければ到底是正できないからである。ここまで根が深い問題を解決するコストとしての1億円は安いくらいだ。
2つ目は、人事権。これは、根っこから腐ってる組織を変えて行くためには人を入れ替えて行くしかないからである。半年もいれば組織の癌は見えてくるので、「こいつとこいつとこいつが問題」と僕が指定した人物を要職から外せる権限がなければ改革は実現できない。
僕にはコンプラ問題を抱えてる会社の問題を抜本的に解決できる自信がある。
でも、そういう会社こそ、僕の条件を飲まないだろうとも思う。
ここにもまた、矛盾がある。